事実に基づいて世界を見ることが、人生の役に立つとのこと。
思い込みで物事を判断してしまっていることがあるかも。
書籍『ファクトフルネス 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しくみる習慣』
著者 ハンス・ロスリングさん
オーラ・ロスリングさん
アンナ・ロスリング・ロランドさん
上杉秀作さん、関美和さん 訳
出版社 日経BP社
出版 2019/1/15
ISBN978-4-8222-8960-7
今回はこちらでお勉強。
「10の思い込み=本能を乗り越え、世界を正しく見るには?」
「事実に基づいて世界を見ると・・・」
といったことが書かれています。
書籍では、クイズが出題されています。
思い込みで判断してしまっていることを認識させられます。
ファクトフルネスとは
著者が作った言葉。
事実に基づく世界の見方。
これがなかなか、できていないとのこと。
人には、ドラマチックな本能があり、ドラマチックすぎる世界の見方をしてしまいがちだとか。
思い込みにより、極端な考え方をしてしまいがちだそうです。
現代においては、ドラマチックな本能は抑え気味にした方がいいとのこと。
10の思い込み
分断本能
「世界は分断されている」という思い込み
ネガティブ本能
「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
直線本能
「グラフは直線になるだろう」という思い込み
恐怖本能
危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
過大視本能
「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
パターン化本能
「一つの例が全てに当てはまる」という思い込み
宿命本能
「全てはあらかじめ決まっている」という思い込み
単純化本能
「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み
犯人捜し本能
「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
焦り本能
「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
思い込みの弊害
世界を間違った枠組みで分けてしまうと、頭の中にある世界のイメージが隅々まで歪められてしまうとのこと。
思い込みを見つけて、正しい理解に変えるには?
答えはデータ。
データを見て、データの裏側にある現実を知ること。
シンプルながらも、正確な思考法を身につけると、思い込みは消えてなくなるとのこと。
分断本能
「世界は分断されている」という思い込み
人は、様々な物事や人々を、2つのグループに分けないと気が済まないもの。
そして、その2つのグループ間には、決して埋まることがない溝があると思い込むのが、分断本能。
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
話の中の「分断」を示す言葉に気づくこと。
それが重なり合わない2つのグループを連想させることに気づくこと。
多くの場合、実際には分断はなく、誰もいないと思われていた中間部分に大半の人がいるとのこと。
「平均の比較」に注意
分布を調べてみると、2つのグループに重なりがあり、「分断などない」ことが多いとのこと。
「極端な数字の比較」に注意
人や国のグループには必ず、最上位層と最下位層が存在。
2つの差が残酷なほど不公平な時もあるとのこと。
しかし、多くの場合、大半の人や国は、その中間の、上でも下でもないところにいるとのこと。
「上からの景色」であることが
高いところから低いところを、正確に見るのは難しいとのこと。
どれも同じくらい低く見えるものの、実際は違うことが。
例(紹介されていたデータの一部)
4つの所得レベル
「1日あたり、何ドルで生活しているか」で分類した例が、紹介されていました。
4段階。
書籍では、各レベルでの「水の調達方法」「移動手段」「調理方法」「料理」「ベッド」が紹介されています。
データを見ると
所得レベルに関しても、最貧困と大富豪の二極化ではなく。
貧しいと思われるレベルにも、段階というか、差が。
4つの所得レベルにおける人口の分布は、レベル1と4に偏っているわけではなく、大半は2、3のレベルにあるとのこと。
人間、極端な所に目が行きがち。
実際は、中間層が一番、層が厚いことが多いとのこと。
ネガティブ本能
「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
物事のポジティブな面よりも、ネガティブな面に気づきやすいというのが、ネガティブ本能。
ネガティブ要素を刺激する要因
①あやふやな過去の記憶
②ジャーナリストや活動家による偏った報道
③状況がまだまだ悪い時に、「以前より良くなっている」と言いづらい空気。
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
ネガティブなニュースに気づくこと。
そして、ネガティブなニュースの方が、圧倒的に耳に入りやすいと覚えておくこと。
物事が良くなったとしても、そのことについて知る機会は少ないとのこと。
すると、世界について、実際より悪いイメージを抱くようになり、暗い気持ちになりがち。
「悪い」と「良くなっている」は両立する。
「悪い」は現在の状態、「良くなっている」は変化の方向。
2つを見分けられるように。
「悪い」と「良くなっている」が両立し得ることを知っておきましょう。
良い出来事はニュースになりにくい。
ほとんどの良い出来事は報道されず。
そのため、ほとんどのニュースは悪いニュースに。
悪いニュースを見た時は、「同じくらい良い出来事があったとしたら、自分のもとに届くだろうか?」と考えてみましょう。
ゆっくりとした進歩は、ニュースになりにくい。
長期的には進歩が見られても、短期的に何度か後退するようであれば、その後退の方が人々に気づかれやすいとのこと。
悪いニュースが増えても、悪い出来事が増えたとは限らない。
悪いニュースが増えた理由は、世界が悪くなったからではなく、監視の目がより届くようになったからかも。
美化された過去に注意。
人々は過去を美化したがり、国家は歴史を美化したがるとのこと。
例(紹介されていたデータの一部)
4つの所得レベルの「レベル1」。
極度の貧困(1日あたり2ドル)で暮らす人々の割合。
1800年では、世界人口の85%。
2017年では、世界人口の9%まで減少。
過去20年(2017年起点?)ほどで、極度の貧困にある人の割合は、約半分になったとのこと。
他にも
書籍には、「減り続けている16の悪いこと」「増え続けている16の良いこと」のデータが、チャートで紹介されています。
私、長期の積立投資を行っています。
「世界は良くなっている。(変化の方向性)」ということを信じて。
直線本能
「グラフは直線になるだろう」という思い込み
例えば、「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み。
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
「グラフは、まっすぐになるだろう」という思い込みに気づくこと。
実際には、直線のグラフの方が珍しいとのこと。
そして、グラフで示されていない部分がどうなっているかは、不用意に憶測しないように。
なんでもかんでも、直線のグラフを当てはめないように
多くのデータは直線ではないとのこと。
例えば。
子供の身長の伸びも、やがては止まります。
直線も、いつかは曲がる?
グラフの色々
グラフの横軸はいずれも、所得(一人あたりGDP)
直線
・長寿であるほど国の所得も高い
縦軸:平均寿命
・学校教育の平均年数
縦軸:学校教育の平均年数
・女性の初婚年齢
縦軸:女性の平均初婚年齢
・趣味への支出
縦軸:所得のうち、文化鑑賞や娯楽への支出が占める割合
S字カーブ
・識字率
縦軸:読み書きができる大人の割合
・予防接種
縦軸:1歳児のうち、何らかの予防接種を受けている割合
・冷蔵庫
縦軸:冷蔵庫か冷凍庫がある家庭の割合
滑り台の形
・女性一人あたりの子供の数
縦軸:女性一人あたりの子供の数
コブの形
・虫歯
縦軸:12歳の子供のうち、虫歯を患っている割合
・交通事故による死者数
縦軸:全ての死因のうち、二輪車や歩行者の死亡事故が占める割合
・子供の溺死
縦軸:1〜9歳の子供の死因のうち、溺死が占める割合
倍増する線
・旅行距離
縦軸:年間の平均移動距離
・交通費
縦軸:所得のうち交通費への支出が占める割合
・二酸化炭素の排出量
縦軸:1年間の一人あたり二酸化炭素排出量
恐怖本能
危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
恐怖心
恐怖心は、人が進化の過程で培ったもの。
所得レベル1や2の人にとっての恐怖心
生活に余裕がない場合、自然の過酷さに悩まされることも多々。
「身体的な危害」「拘束」「毒」を恐れるのは、理にかなっているとのこと。
所得レベル3や4の人にとっての恐怖心
生活に余裕が生まれると、自然の過酷さに悩まされることも少なく。
すると、進化の過程で発達した恐怖心は、役立つどころか、逆に足を引っ張ってしまうことも。
「恐怖」と「危険」は全く違うもの
怖がるなら、「危険なこと」を。
恐怖本能は、正しい使い方をすれば役立つことも。
でも、世界を理解するには全く役に立たず。
恐ろしいが、起きる可能性が低いことに注目しすぎると、本当に危険なことを見逃してしまうことが。
「恐怖」と「危険」は別物。
恐ろしいと思うことは、リスクがあるように「見える」だけ。
一方、危険なことには確実にリスクがあります。
自分の恐怖本能を、「大昔に危険だったこと」にではなく、「今とても危険なこと」を察知するために使うようにとのこと。
デンジャーに近寄ってはいけません!
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
「恐ろしいものには、自然と目がいってしまう」ことに気づくこと。
恐怖と危険は違うことに気づくこと。
人は誰しも「身体的な危害」「拘束」「毒」を恐れているが、それがリスクの過大評価につながることが。
世界は恐ろしいと思う前に、現実を見る。
世界は実際より恐ろしく見えるもの。
メディアや自身の関心のせいで、自分のもとには恐ろしい情報ばかりが届くので。
リスクは「危険度」と「頻度」、言い換えると、「質」と「量」の掛け算で決まる。
リスク = 危険度 × 頻度
つまり、「恐ろしさ」はリスクとは関係がないとのこと。
行動する前に落ち着く
恐怖でパニックになると、物事を正しく見られなくなるもの。
パニックが収まるまで、大事な決断をするのは避けましょう。
過大視本能
「目の前の数字が一番重要だ」という思い込み
何かを完璧にこなそうとすれば、もっと大事な他のことが疎かになるかもとのこと。
方向性を間違うと、努力が報われないことも?
やるべき事の方向・優先順位づけを、間違わずに行いたいところ。
やらない事を決めるのも大事。
それぞれの物語の裏にある数字を見ようとすることは大切。
でも、それと同じくらい、数字の裏にある物語を見ようとすることも大切。
数字を見ないと、世界のことはわからず。
でも、数字だけを見ても、世界のことはわからずとのこと。
人は、物事の大きさを判断するのが下手
過大視本能が原因。
過大視本能は2種類の勘違いを生むとのこと。
①数字を一つだけ見て、「この数字はなんて大きいんだ」とか「なんて小さいんだ」と勘違いしてしまうこと。
②一つの実例を重要視しすぎてしまうこと。
過大視本能と、ネガティブ本能が合わさると、人類の進歩を過小評価しがちになるとのこと。
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
ただ一つの数字が、とても重要であるかのように勘違いしてしまうことに気づくこと。
他の数字と比較したり、割り算をしたりすることによって、同じ数字から全く違う意味を見出せるとのこと。
80・20ルール
たくさんの数字を比べたり、どの数字が重要かを知ったりするのに使えるテクニック。
項目が並んでいたら、まずは最も大きな項目だけに注目。
多くの場合、小さな項目は無視しても差し支えないとのこと。
比較する
大きな数字は、そのままだと大きく見えます。
一つしかない数字は、間違いのもと。
必ず疑ってかかるべき。
他の数字と比較し、できれば割り算をすること。
割り算をする
割合を見ると、量を見た場合と全く違う結論に辿り着くことが。
大抵の場合、割合の方が役に立つとのこと。
特に、違う大きさのグループを比べるのであればなおさら。
国や地域を比較する時は、「一人あたり」に注目を。
比較可能な、意味ある数字になるので。
比較と割り算
一つしかない数字をニュースで見かけた時は、必ず問いかけを。
●この数字は、どの数字と比べるべきか?
●この数字は、1年前や10年前と比べたら、どうなっているか?
●この数字は、似たような国や地域のものと比べたら、どうなるか?
●この数字は、どの数字で割るべきか?
●この数字は、合計すると、どうなるのか?
●この数字は、一人あたりだと、どうなるのか?
パターン化本能
「一つの例が全てに当てはまる」という思い込み
思考のパターン化
人間は、無意識に物事をパターン化し、それを全てに当てはめてしまうもの。
偏見があるかどうかや、意識が高いかどうかは関係なく。
日常生活を過ごすのに、パターン化は欠かせず。
パターン化が、思考の枠組みになるため。
良い判断をするには、判断回数を減らすのも重要とのこと。
物事のパターン化・ルーティン化はある程度必要。
何でもかんでも1から考えていたら、大変ですものね。
思考のパターン化のマイナス面
ただ、生活に役立つはずのパターン化もまた、世界の見方を歪めてしまうことが。
実際には全く異なる物や、人や、国を、間違って一つのグループに入れてしまったり。
そして、同じグループの物や人は全て、似通っていると思い込んだり。
何より残念なことに、ほんの少数の例や、一つだけの例外的な事柄に基づいて、グループ全体の特徴を勝手に決めつけてしまうことが。
パターン化しつつ、分類が必要。
日常生活を過ごすのに、パターン化は欠かせず。
ただ、分類は必要。
大事なのは、間違った分類に気付き、より適切な分類に置き換えること。
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
一つの集団のパターンを根拠に物事が説明されていたら、それに気づくこと。
パターン化は間違いを生み出しやすいことを肝に銘じること。
パターン化を止めることはできないし、止めようとすべきでもないとのこと。
間違ったパターン化をしないように努めましょう。
物事によって、通用するルールが違ったり。
ルール自体が変化していくことも。
定期的な見直しが必要?
同じ集団の中にある違いを探す。
集団が大規模な場合は特に、より小さく、正確な分類に分けた方がいいとのこと。
違う集団の間の、共通項を探す。
異なる集団の間に、ハッとするような共通点を見つけたら、分類自体が正しいかどうかの問い直しを。
違う集団の間の違いも探す。
一つの集団について言えることが、別の集団にも当てはまると思い込んではいけないとのこと。
例えば、「裕福な生活を送る人について言えること」が、「貧困に苦しむ生活を送る人」にも当てはまるとは言えないとのこと。
「過半数に気を付ける」
過半数とは、半分より多いということでしかないとのこと。
それが51%なのか、99%なのか、その間のどこなのかを確かめた方がいいとのこと。
強烈なイメージに注意。
強烈なイメージは頭に残りやすいが、それは例外かもしれないと疑った方がいいとのこと。
自分以外はアホだと、決めつけないように。
変だと思うことがあったら、好奇心を持ち、謙虚になって考え、検証を。
「それはもしかしたら、賢いやり方なのか。だとしたら、なぜ賢いやり方なのか」と自問。
宿命本能
「全てはあらかじめ決まっている」という思い込み
宿命本能とは、人や国や宗教や文化の行方が、持って生まれた宿命によって決まるという思い込み。
人間の進化の過程では、この本能が役に立つ面が。
でも、今の時代、物事が変わらないと思い込み、新しい知識を取り入れることを拒めば、社会の劇的な変化が見えなくなってしまうとのこと。
社会も文化も変わっていくもの。
社会と文化は、岩のように動かないものではなく。
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
色々なもの(人も、国も、宗教も、文化も)が変わらないように見えるのは、変化がゆっくりと少しずつ起きているからだと気づくこと。
その小さなゆっくりとした変化が積み重なれば、大きな変化になると覚えておくこと。
小さな進歩を追いかける。
毎年、少しずつ変化していれば、数十年で大きな変化に。
積み重ね、継続の力は偉大なり?
知識をアップデートする。
賞味期限がすぐに切れる知識も。
テクノロジー、国、社会、文化、宗教は、刻々と変化。
おじいさんやおばあさんに話を聞く。
価値観がどれほど変わるかを改めて確認したかったら、「自分のおじいさんやおばあさんの価値観が、今の自分たちとどんなに違っているか」を考えるといいとのこと。
文化が変わった例を集める。
今の文化は昔から変わらないし、これからも同じだと言われたら、逆の事例を挙げてみるといいのこと。
日本の小売業では、昔は髪の毛は黒色が当たり前だったと思います。
最近は、解禁の方向に。
メッシュで様々な色を入れたりする人も身近に。
日本の終身雇用の文化も、維持できない方向になっている模様。
単純化本能
「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み
世界をただ一つの切り口で見れば、あれこれ悩まず、時間の節約に。
しかし、世界を本当に理解しようとしたら、このやり方は役に立たず。
むしろ、自分が肩入れしている考え方の弱みをいつも探した方がいいとのこと。
これは、自分の専門分野においても。
「自分の意見に合わない新しい情報や、専門以外の情報をすすんで仕入れる。」
「意見が合わない人や反対してくれる人に会い、自分と違う考えを取り入れる。」
それが世界を理解する、素晴らしいヒントになるとのこと。
違う角度からも光を当てると、実像がよりはっきり見えてくる?
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
一つの視点だけでは、世界を理解できないと知ること。
様々な角度から問題を見た方が、物事を正確に理解できるし、現実的な解を見つけることが可能。
自分の考えを検証
自分が肩入れしている考え方が正しいことを示す例ばかりを集めてはいけないとのこと。
意見の合わない人に考え方を検証してもらい、自分の弱点を発見。
知ったかぶりはやめる
自分の専門分野以外のことを、知った気にならない方がいいとのこと。
知らないことがあると、謙虚に認めましょう。
ちなみに、その道のプロも、専門分野以外のことは、案外知らないものだとか。
めったやたらとトンカチを振り回すのはやめる
何か一つの道具が器用に使える人は、それを何度でも使いたくなるもの。
一つの問題を深く掘り下げると、その問題が必要以上に重要に思えたり、自分の解が良いものに思えたり。
でも、一つの道具が全てに使えるわけではないとのこと。
自分のやり方がトンカチだとしたら、ねじ回しやレンチや巻き尺を持った人を探すといいとのこと。
違う分野の人達の意見も取り入れて。
数字は大切だが、数字だけに頼ってはいけない
数字を見なければ世界を知ることはできないが、数字だけでは世界は理解できないとのこと。
数字が、人々の生活について何を教えてくれるかを読み取れれば。
単純なものの見方と、単純な答えには警戒を
歴史を振り返ると、単純な理想論で残虐な行為を正当化した独裁者の例には事欠かないとのこと。
ケースバイケースで問題に取り組みましょう。
複雑さを喜んで受け入れ。
違う考え方を組み合わせ。
妥協もいとわず。
犯人捜し本能
「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
何か悪い事が起きた時、単純明快な理由を見付けたくなる傾向が、犯人捜し本能。
物事がうまくいっている時にも、犯人捜し本能は湧き上がるとのこと。
もし、本当に世界を変えたいのなら、犯人捜し本能は役に立たず。
世界の深刻な問題を理解するには、問題を引き起こすシステムの見直しを。
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
誰かが見せしめとばかりに責められていたら、それに気づくこと。
誰かを責めると、他の原因に目が向かなくなり、将来、同じ間違いを防げず。
犯人ではなく、原因を探す
物事がうまくいかない時に、責めるべき人やグループを探してはいけないとのこと。
誰かがわざと仕掛けなくても、悪いことは起きるもの。
その状況を生み出した、絡み合った複数の原因やシステムを理解することに力を注ぐべき。
同じ失敗を繰り返さないためにも。
ヒーローではなく、社会を機能させている仕組みに目を向ける。
物事がうまくいったのは自分のおかげだと言う人がいたら、その人が何もしなくても、いずれ同じことになっていたかどうかを考えてみるといいとのこと。
社会の仕組みを支える人達の功績をもっと認めましょう。
良い仕組みづくりにより、問題を解決できれば。
焦り本能
「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
今でも焦り本能が必要になることはありますが。
しかし、現代では差し迫った危機はほとんどなくなり、もっと複雑で抽象的な問題にぶつかることの方がはるかに多いとのこと。
心配すべき5つのグローバルなリスク
感染症の世界的な流行
金融危機
世界大戦
地球温暖化
極度の貧困
ファクトフルネス(事実に基づいて見るには?)
「今すぐに決めなければならない」と感じたら、自分の焦りに気づくこと。
「今決めなければならないようなことは、滅多にない」と知ること。
深呼吸をする
焦り本能が顔を出すと、他の本能も引き出されて、冷静に分析できず。
そんな時には時間をかけて、情報をもっと手に入れるましょう。
今やらなければ二度とできないなんてことは、滅多にないし、答えは二者択一でもないとのこと。
データにこだわる
緊急で重要なことならなおさら、データを見るべき。
一見重要そうだが正確でないデータや、正確であっても重要でないデータには注意。
正確で重要なデータだけを取り入れましょう。
占い師に気をつける
未来についての予測は、不確かなもの。
不確かであることを認めない予測は、疑った方がいいとのこと。
予測には幅があることを心に留め、決して最高のシナリオと最悪のシナリオだけではないことを覚えておきましょう。
台風の予報円のように、予測には幅が。
過激な対策に注意
大胆な対策を取ったら、どんな副作用があるか考慮。
その対策の効果が、本当に証明されているかに気をつけて。
地道に一歩一歩進みながら、効果を測定した方がいいとのこと。
ドラマチックな対策よりも、大抵は地道な一歩に効果が。
まとめ
10の本能を抑えるには。
分断本能
「世界は分断されている」という思い込み
大半の人がどこにいるか探す
ネガティブ本能
「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
悪いニュースの方が広まりやすいと覚えておく
直線本能
「グラフは直線になるだろう」という思い込み
直線もいつかは曲がることを知る
恐怖本能
危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
リスクを計算する
過大視本能
「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
数字を比較する
パターン化本能
「一つの例が全てに当てはまる」という思い込み
分類を疑う
宿命本能
「全てはあらかじめ決まっている」という思い込み
ゆっくりとした変化でも、変化していることを心に留める
単純化本能
「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み
一つの知識が全てに応用できないことを覚えておく
犯人捜し本能
「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
誰かを責めても、問題は解決しない
焦り本能
「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
小さな一歩を重ねる
筆者によると
事実に基づいて世界を見ることが、人生の役に立つとのこと。
事実に基づいて世界を見ると、心が穏やかに。
事実に基づいて世界を見れば、世の中もそれほど悪くないと思えてくるとのこと。
これからも世界を良くし続けるために私たちに何ができるかも、そこから見えてくるはずとのこと。
著者のハンス・ロスリングさんはTED Talkで講演も。
興味のある方はそちらも。
日本語字幕をつけて視聴可能。
動くバブルチャートも見れます。
興味を持たれた方は、是非原著もご一読を。
事実見て、現実うまく、捉えましょ。
人生を、もっと楽しく、快適に。
では、ありがとうございました!
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