・手術
・放射線治療
・抗がん剤治療
・緩和ケア
リベラルアーツ大学の両学長のおすすめ書籍。
日本人の国民病とも言えるがん。
元気・冷静なうちに、予備知識を入れておこうと、読んでみました。
- 書籍『世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療』
- がんに関しては、標準治療こそが最高・最善の治療法である理由
- 標準治療を受けていないがん患者の方は、死亡リスクが高いとのこと。
- トンデモ医療の見分け方
- どうやってがんを見つけるのか
- がんの予防で、できること
- がんができる3大要因
- 最高のがん治療
- がんの「ステージ」によって、治療法は異なる
- 標準治療を受けるには
- まとめ
書籍『世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療』
著者
3人の専門家による共著。
出版社 ダイヤモンド社
出版 2020/4/1
ISBN978-4-478-10689-1
トンデモ医療情報への免疫をつければ、だまされることは格段に減るかと。
今回はこちらでお勉強。
がんに関しては、標準治療こそが最高・最善の治療法である理由
効果があるかどうかが、徹底的に調べ抜かれているから。
1万個に1個しか残らないそうです。
0.01%。
本当に効果のある薬は、代表選手並みのスーパーエリート。
保険適用の標準治療には、科学的根拠(エビデンス)があるとのこと。
0.01%しか保険適用にならないとは。
新薬開発には、コストがかかると聞きますが納得。
1万個の新薬候補の検証
①基礎研究
マウスなどに試して、少しでも可能性があるかどうか調査。
残る候補は29個だけ。
基礎研究の段階で、かなり絞られるんですね。
1万から29。
②臨床試験フェーズⅠ
人間に毒性がないかどうか調査。
残る候補は14個だけ。
③臨床試験フェーズⅡ
少人数で試してみて、効果があるかどうか調査。
残る候補は3個だけ。
④臨床試験フェーズⅢ
現時点で一番有効な治療薬と比較して、優れているかどうかを調査。
最終的に有効なのは1万個に1個だけ。
既にある薬との比較があるのは知りませんでした。
副作用の程度も、比較されるとのこと。
「新しい治療法」=「まだ効くかどうかわからない治療法」
標準治療を受けていないがん患者の方は、死亡リスクが高いとのこと。
「余命2年」でも、生存期間にばらつき
「余命2年」とは、生存期間の中央値が2年。
がん患者の生存率には大きな個人差があるため、ほとんどの人が2年前後に亡くなるわけではないとのこと。
がん治療において、「余命」を大きく超えて生きる患者さんがいることは、よくあることだそうです。
大腸がん患者(ステージⅣ)の相対生存率(診断年2008~2010)
治療開始時、生存率100%
治療開始から1年後、30%がお亡くなり。
治療開始から2年後、50%がお亡くなり。(中央値)
治療開始から4年後、75%がお亡くなり。
治療開始から5年以上生存の方は、20%もいらっしゃるとのこと。
「余命2年のところ5年も生きた治療法」を信じてはいけないとのこと。
余命には、ばらつきがあるんですね。
数字の見方、正しく知っておかないと、数字に踊らされかねませんね。
「家電の感覚」で医療データを見ないように
家電
同じ製品であれば、どこで買っても品質はあまり変わらず。
人
個人差大。
トンデモ医療の見分け方
騙されないように注意。
教育レベルや収入の高い人ほど、怪しいがん治療法にだまされやすい
取れる選択肢が多いほど、正しい判断の難易度UP?
インターネット上には、誤った情報が多い
それでもなお、トンデモ医療の被害に遭う方が後を絶たないのは、「自分だけは大丈夫だろう」と思ってしまいがちだから?
被害に遭ってしまった人の多くは、とても真面目とのこと。
インターネットや本などで一所懸命情報を調べていたり。
ただ、どんなにインターネットで調べていようが、理系の授業で学んでいようが、専門的な医療及びがんの知識がなければ、医療情報が正しいかどうか判断することは難しいとのこと。
ネット上のトンデモ医療を信じ込んでしまう4つの理由
①効果の判断がむずかしい
基本的に、医療情報には嘘が入りやすい性質が。
なぜなら、嘘であることが分かりにくいため。
内容がとても専門的なので、正しいかどうかの判断が簡単にはできず。
それに、すぐに確かめることができないものが多いとのこと。
②拡散されている情報は、正しいように見える
人は、情報の正しさを判断するときに、その情報が複数の場所で言われているかどうかを参考にする傾向があるとのこと。
しかし、ある情報がインターネットで広がるかどうかは、その情報が正しいかどうかでは決まらず。
③レビューが良いと正しいように見える
がんの場合、レビューはあてにならず。
がんの場合、個人の経験談だけで、その治療法が良いのか評価することは困難。
専門家がたくさん評価していれば、正確なレビューになるんでしょうが・・・。
私、あまりに知識がないと、レビューを頼りにしていたことも。
気をつけねば。
④自分の好みに合う情報が集まってくる
アルゴリズムにより、一度トンデモ医療を見ると、それに関する情報や、トンデモ医療をすすめている人の情報にどんどんさらされるとのこと。
アルゴリズムの負の側面?
誤情報に、洗脳されないよう、注意せねば。
「本に書いてあるから正しい」と信じるのは危険
「本として出版されているものは信頼できる」と思うのは間違い。
2019年9月12日時点、筆者たちがAmazonのがんカテゴリーランキングTOP12に入る本を確認したところ、科学的に正確な内容で書かれた本はわずかに3冊。
本の状況もインターネットに似ていて、当たり前のことが書いてある本は売れず、極端で非常識なものほど売れるとのこと。
書籍化されているものは、ある程度、信頼できるものかと思っていましたが。
気をつけねば。
ロングセラーや古典化しているものが無難?
本は、トンデモ医療を合法的に広告する「抜け道」として使われることも
何の科学的根拠もない民間療法を「がんが治る」と宣伝すると、薬機法という法律に違反する場合が。
しかし、そのトンデモ医療情報を「〇〇療法でがんが消えた」といったように本のタイトルにしてしまえば、多くの場合では、法律違反にならないとのこと。
さらに、その本の広告を新聞や雑誌に出しても、法律に問われない場合さえあるとのこと。
2018年6月に施行された法律の新しい医療広告ガイドラインで、「実質的に広告と判断されるもの」も規制対象に。
あくまでケースバイケースとのことです。
まだまだ、抜け道ありのイタチごっこ?
「新聞に載ってるから」も、信頼の条件にならないんですね。
危ない、危ない。
「がんにはアガリクスというキノコが効く」というのを昔よく見かけました。
体験談は全て作り話だったそうです。
業者の逮捕に至ったとか。
信頼できるがん専門家の2つの特徴
何より大事なのは、信頼できる専門家に確認すること。
特徴① 標準治療を推奨している
信頼できるがん治療とは、保険適用である標準治療。
大事な治療方針の決定は、保険診療をしている専門家に相談を。
特徴② 他の医師と治療判断が変わらない
がんの治療には色々な種類があるが、基本的にはどの病院でも同じ方法を採用しているとのこと。
日本中どころか、世界中どこに行ってもほとんど変わらず。
その医師しか行っていない特殊な治療法をすすめられた場合は要注意。
主治医に相談しづらい時
主治医が忙しそうで相談しづらい時。
看護師、栄養士、ソーシャルワーカーなどの、他職種の専門家に相談を。
相談先は医師のみである必要はないとのこと。
がん相談支援センターの相談員にも、相談すると良いとのこと。
がん支援相談センターは、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されていて、がんについて無料で相談できるとのこと。
その病院に通院していなくても無料で利用可能だとか。
科学的根拠に基づいた8つの情報源
①国立がん研究センター「がん情報サービス」
②米国国立がん研究所がん情報サイト PDQ 日本語版
③海外がん医療情報リファレンス
④キャンサーネットジャパン
⑤静岡県立静岡がんセンター「処方別がん薬物療法説明書」
⑥日本放射線腫瘍学会
⑦日本緩和医療学会「患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド」
⑧国立がん研究センター中央病院「生活の工夫カード」
書籍には、QRコードがついてます。
がんのトンデモ医療を見分ける6つのポイント
①保険が利かず高額な治療法は危険
標準治療は本来は高いもの。
保険のおかげで、自費が少なくなるようにできているとのこと。
標準治療は、国が費用を補ってでも国民に受けてもらう価値があると考えているもの。
②「どのがんにも効きます」という文言を信用してはいけない
どのがんにも効く治療法など、存在せず。
がんと一言でも、本来は数千の別の病気の集まりとのこと。
③「免疫力アップ」という言葉にだまされないように
何かをすることで免疫力を高め、がんを治療しようという考えは古い手法。
ほとんど効果が得られないことが既に示されているとのこと。
そもそも、自分の免疫細胞では倒せないから、がんに。
がんを倒すことができない免疫細胞を多少増やしたところで意味はないとのこと。
④個人の経験が、他の人にも有効とは限らない
経験談や少数例の治療成績による効果を強調する情報にも注意が必要。
⑤細胞実験レベルのデータだけでは信用できない
細胞実験レベルのデータを根拠にしている時点でダメとのこと。
基礎研究レベルのデータで推してくることもあるんですね。
1万分の29程しか効果が出ない段階のデータを出すなんて。
でも、知らないと騙されるかも。
⑥「がん予防に効果があるから、がん治療にも効く」わけではない
予防と治療は全く別物。
予防に効果があるからといって、治療に効果があるとは限らないとのこと。
どうやってがんを見つけるのか
がんが疑われる4つの症状
初期の段階では、ほとんどのがんに症状がないそうです。
がんが疑われる症状が2週間以上続くようであれば、専門医を受診するようにとのこと。
①大便に血が混ざる
2~5%が大腸がん
②尿に血が混ざる
目で見てわかる血尿の4~10%が膀胱がん・腎がん
③せきと一緒に血が出る
3~6%が肺がん
④ものを飲み込むのが大変
4~5%が食道がん
他
原因不明の熱
リンパ節の腫れ
寝汗
原因不明の体重減少
原因不明の腰痛
乳房のしこり
異常な性器出血
「怖いから放置」はいいことなし
最も怖いのは、症状が持続しているのに、医療機関を受診せずに放置してしまうこと。
わかっていても、つい放置してしまいそう。
早めに専門医の判断を仰ぎましょう。
進行速度によるがんの分類
①急速がん
②のんびりがん
③超のんびりがん
④進行しないがん
急速がん
検診では見つけられないが、抗がん剤がよく効くとのこと。
急速に進行するため、定期的に検診をしていても見つけるのが難しいそうです。
超のんびりがん・進行しないがん
進行が非常に遅いため、見つけても、がんで亡くならないとのこと。
同じ種類のがんでも、進行速度の異なる4つが混じり合っていることが
受けるべき、がん検診は5つ。のんびりがん。
①胃がん
②大腸がん
③肺がん
④子宮頸がん
⑤乳がん
今年から、職場の健康診断で検便が追加されました。
大腸がんの発見に有効だからこそ?
検診があまり有効でないがんもあり
急速がん・超のんびりがん・進行しないがんは検診に不向き。
がん検診はとにかく受ければいいのではないとのこと。
検診することでがんの発見率は向上しても、死亡率が低下せず。
過剰診断
検診を受けたがために、見つからなくてよかったはずのがんを発見。
前立腺がん、甲状腺がん、肺がんの一部にもあることがわかってきたそうです。
検診で見つかるがんのうち、前立腺がんは約60%、肺がんの約50%が過剰診断されたがんである可能性があるとのこと。
過剰治療
治療しなくてもよかったのに、過剰に治療されること。
過剰治療は、体にダメージを与えてしまうので避けなければならないとのこと。
不必要に体にメスを入れたり、不要な薬を投与することになるため。
メリット、デメリットを天秤にかけて。
経過観察で済ます方がいい場合があるんですね。
民間で行われている検診事業はデメリット大
メリットよりもデメリットの方が大きいと考えられているとのこと。
がんの予防で、できること
健康的な生活習慣を身につけることが大事かと。
がんのリスクを上げる2つの食品
食事でがんを治すことはできないが、ある程度は予防できるとのこと。
がんになる確率を下げることはできるが、がんになるリスクをゼロにはできず。
①加工肉と、赤い肉(4本足の動物の肉)
大腸がんのリスクUP。
加工肉
ハムやソーセージなどの加工肉。
赤い肉(4本足の動物の肉)
牛肉、豚肉、羊肉、馬肉など。
赤い肉と赤身肉は別。
お肉好きには、知りたくなかった事実・・・。
②塩分
胃がんのリスクUP。
塩分濃度の高い液体が加わると、胃の粘膜の粘度が変化。
胃壁が発がん性物質にさらされるため、胃がんになるリスクが上がると考えられるとのこと。
おいしいものには、毒がある?
発がん性物質
世界保健機関(WHO)の専門機関、国際がん研究機関(IARC)によるグループ分け
グループ1:人に対して発がん性があるグループ
加工肉、タバコ、アスベスト、アルコールなど。
グループ2:人に対しておそらく発がん性があるグループ
先日、人工甘味料のアスパルテームもこちらに分類。
プロテインにも、使われていることが。
筋トレ界に激震?
ただ、お漬物もここに分類されたり。
何でもかんでも、気にしすぎると、食生活の満足度が下がってしまいますし。
「多少の毒は喰らいつつ」がバランス良いのかも?
肥満はがんになるリスクを上げる
13種類ものがんになるリスクを上げるとのこと。
肥満は万病の元?
がんになるリスクを下げる食品
食事のバランスも重要
魚
乳がん、大腸がん、肺がん⬇︎
野菜と果物
大腸がん、肺がん⬇︎
玄米・全粒粉・雑穀類のような精製されていない炭水化物
大腸がん⬇︎
ナッツ類
大腸がん、乳がん⬇︎
胡桃は、遅効性のアレルギーになることもあるとのこと。
食べ過ぎ注意。
オリーブオイル
大腸がん、乳がん⬇︎
バランスの良い食生活を。
基本が大事。
最も健康に良い飲酒量は、ゼロ。
がんについては、アルコールは少量でもリスクが上がることが明らかに。
飲む量が増えるほどリスクが高くなるとのこと。
運動は、大腸がんと乳がんになるリスクを下げる
デスクワークなど、座りがちの生活をしている人ほど、がんになるリスクが上がるという研究結果があるとのこと。
がんの治療中、および治療後の人が適度な運動をすることは、健康状態を改善するだけでなく、生活の質を向上させ、倦怠感が減るそうです。
今から禁煙すれば、肺がんになるリスクを減らせる
禁煙外来を利用するのもありかと。
がんができる3大要因
がんの原因は「プログラムエラー」の蓄積
細胞の発達・老化に異常が起きてできるのが、がん細胞。
正常細胞ががん化してしまう最大の理由は、遺伝子異常が起こるから。
がんの種類によっては、生活習慣の影響はあまりないとのこと。
①外的要因
ウイルス・細菌・化学物質が体に入ってきて、遺伝子が傷つけられてしまうこと。
一部のがんは、生活習慣が原因で起こる
外的要因で起こるがんになる確率は、生活習慣を変えることで下げることが可能。
・禁煙する
・飲酒量を控える
・ピロリ菌の除菌をする
・日焼けを避ける
・子宮頸がんのワクチンを打つ
・肝炎ウイルスに対して、適切な治療をする
元気なうちに、できることから始めて、健康寿命を延ばしたいところ。
②遺伝的要因
親から遺伝子異常を引き継いでしまうこと。
引き継がれる遺伝子異常は、精子と卵子に含まれていたもののみ。
外的要因の影響はあまり受けないとのこと。
遺伝的要因で起こるがんは、とても少ないとのこと。
③偶発的要因
遺伝子異常が偶然起こってしまうこと。
細胞分裂の際に、遺伝子異常が起こってしまうことがあるとのこと。
偶然発生するがんが、意外と多い
「自分の過去の行いが悪かったのでは」と、患者さん本人が自分を責める必要は全くないとのこと。
最高のがん治療
がん治療は、3つの標準治療+1が最善。
①手術
②放射線治療
③抗がん剤治療
④緩和ケア
手術:がんがある部分を切り取る
手術とは、がんを物理的に取り除く治療法。
がんは発生した臓器にとどまってくれず。
そのため、手術は単純ではないとのこと。
がんそのものだけでなく、がん細胞が潜む周辺の部位も合わせて切除。
かつては拡大手術が主流。
がんの病巣だけでなく、周辺組織まで大きく切り取るとのこと。
現在は、縮小手術も。
縮小手術は、体へのダメージが小さく、できるだけ周辺の切除を抑えることが可能。
検査技術や放射線治療、抗がん剤治療が進歩したおかげ。
放射線治療:がん細胞に放射線を当てて破壊
正常細胞に比べて、がん細胞は放射線が当たると死にやすい性質を利用。
放射線治療のメリット
メスで体を傷つけずにがん細胞を破壊することができるので、体へのダメージが少ないとのこと。
放射線治療のデメリット
①放射線治療が効きやすいがんと、効きにくいがんがあるとのこと。
②一定の確率で副作用が。
抗がん剤治療:体全体に薬を巡らせてがんをやっつける
抗がん剤の種類は150以上。
がんの種類やステージなどにより、使い方が異なるとのこと。
昔と違い、今では抗がん剤の副作用の大部分はコントロール可能に。
以前ほど、辛い治療ではなくなりつつあるそうです。
がんには、小さくても容易に他の部位に転移する性質が。
手術だけでなく、がんをやっつける薬を体全体に巡らせる抗がん剤治療を組み合わせて対応。
がんの種類や状況によっては、手術をせず、抗がん剤治療のみでがんの治療が行われることも。
抗がん剤の向き不向き
抗がん剤が全く効かないがんはないとのこと。
万能ではないそうですが。
抗がん剤の3つの副作用
必ず副作用が起きてしまうので、最も処方が難しい治療薬の1つとのこと。
①吐き気:80%はなくせる
最近では吐き気を抑える制吐薬が開発。
②脱毛:冷やせば、抑えられる
治療中に頭部を冷やす装置をつけることで、ある程度。
③白血球減少:免疫力が落ちてしまう
抗がん剤の副作用で白血球が減少。
自覚しにくい副作用。
しかし、重度の白血球減少が続くと、重い感染症を引き起こすことがあるため、要注意とのこと。
抗がん剤の副作用管理(支持療法)は、近年進歩。
日本で抗がん剤が正しく使われていない理由
先進諸国の中で、日本は抗がん剤治療の専門医(腫瘍内科医)が一番少ないとのこと。
抗がん剤治療で重要なこと
副作用を恐れて、むやみに抗がん剤を減量してしまわないこと
日本には専門医が少ないこともあり、抗がん剤にあまり詳しくない医師が、副作用を恐れて安易に減量投与をしたり、逆に減量せずに投与したものの、副作用管理がうまくできなかったりする現状があるとのこと。
専門医の不足が一因だとか。
緩和ケア
最後の手段ではなく、第4の治療法。
早期の緩和ケアで生活の質が上がり、抗がん剤が減る
研究結果もあるそうです。
日本では悪い印象を持たれがち。
でも、緩和ケアは本来は積極的治療(手術・放射線治療・抗がん剤治療)と並行して行うべきものだそうです。
緩和ケアは、終末医療以外でも、有効とのこと。
がんの「ステージ」によって、治療法は異なる
がんのステージ
分類の方法は、がんの種類ごとに決められているとのこと。
国際対がん連合(UICC)によるTNM分類という国際的な方法で統一。
がんのステージは必ずしもステージⅠからⅣの段階を踏むものではないとのこと。
早期がん
ステージⅠ、Ⅱ
進行がん
ステージⅢ、Ⅳ
がんの治療方針は、複数の専門家が相談して決定
がんの治療方針は、主にステージによって決められるとのこと。
ステージⅠやⅡ
主に局所治療である手術や放射線治療を。
ステージⅢやⅣ
局所治療に加えて、全身治療である抗がん剤治療を組み合わせて。
がん細胞
血管やリンパ管に入り込みやすい性質があるとのこと。
がんが小さくても、血管やリンパ管に浸潤した微小ながん細胞が全身に回る可能性が。
浸潤したがん細胞はとても小さいため、血液検査やCT、PET検査などの画像診断でもわからず。
このため、局所治療が終了し、がんが一旦消えたように見えても、数年経って遠隔臓器に再発することが。
がんの標準治療
必ずしも、一つの最適解の治療に絞られるとは限らないとのこと。
手術、放射線治療、抗がん剤治療の組み合わせを考慮。
個別の状況で変化。
・がんのステージや種類
・患者自身の年齢や合併症の有無
・肝機能や腎機能など
方法の選択
・前立腺がんや子宮頸がんの早期癌では、手術と放射線治療成績は、ほぼ同等の結果
・抗がん剤の組み合わせも、いくつもあるとのこと。
がんの標準治療は1つではなく、いくつかの選択肢があり。
専門医によって、見解が異なることも。
効果が似通っている治療法が複数存在する場合があるため。
標準治療を受けるには
国が地域ごとに指定したがん専門の病院である「がん診療拠点病院」で受けることができるとのこと。
国立がん研究センターのWEBサイトなどで確認可能。
がんの専門医
外科医
腫瘍内科医
放射線治療医
放射線診断医
緩和ケア医
精神腫瘍医
がん診療連携拠点病院
国や地域で指定。
がん患者の治療方針は、複数の専門家が相談して決定。
標準治療以外は「まだ効くかどうかわからない治療法」
未承認治療の中には、効果が定まっていないどころか、効果や副作用を証明できるデータが全くないのに、医師による診療行為として提供されているものもあるので慎重な対応が必要。
自由診療、民間療法を規制する法律はないとのこと。
トンデモ医療に引っかからないようにしないと。
先進医療
保険適用になるのは、わずか6%。
6%!?
少ないですね。
今まで思っていたイメージとのギャップがすごい。
まとめ
がんになってしまったら、標準治療を受けましょう。
・手術
・放射線治療
・抗がん剤治療
・緩和ケア
医療の用語、文字通りの意味ではないことが。
標準治療=最善治療。
余命○年=中央値なので、幅あり。
先進医療=効くかどうか、まだわからない医療。
興味を持たれた方は、是非、原著もご一読を。
知識得て、トンデモ医療、脱カモ化。
人生を、もっと楽しく、快適に。
では、ありがとうございました!
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