金融決済(ペイパル)、電気自動車(テスラ)、宇宙開発(スペースX)、AIなど。
現代の数々の革新に関わる、イーロン・マスクさんの伝記。
凄い経営者というだけでなく、凄い技術者でもあるとのこと。
車やロケットの設計したり。
知りませんでした。
話題の分野に、関わりまくってますね。
書籍『イーロン・マスク 上』
著者 ウォルター・アイザックソンさん
訳 井口耕二さん
出版社 文藝春秋
出版 2023/9/10
ISBN978-4-16-391730-6
今回はこちらでお勉強。
幼少期
南アフリカ育ち。
壮絶な幼少期を送った模様。
マスクさん曰く、「苦しみが原点」
父親が・・・
話を聞く限り、良い父親ではない模様。
多重人格のような。
言葉の暴力を振るったり。
妄想や陰謀論にとらわれたり。
良い時もあるものの。
子供が感情を殺すことを覚えないといけないような。
父子ともに、物腰も機嫌も、時と場合で大きく変わるタイプ?
周りは、大変ですね。
12歳の頃に、ベルドスクールなる荒野のサバイバルキャンプに放り込まれたり。
「他人から、食料や水を奪う」が、推奨されるようなキャンプ。
何年かに一人、死人も出ているような。
子供に死人が出ているのに、開催が続くなんて。
今の日本では、考えられませんね。
イーロンさん、良くも悪くも、父親には影響を受けている模様。
極端な個性ほど、遺伝すると聞きますし。
違う所もあれば、同じ様なところも。
環境も・・・
1980年代の南アフリカは、血生臭い場所だったとのこと。
殺人が日常茶飯事。
電車を降りたら、頭にナイフが刺さって死んでいる人がいたこともあったとか。
平和な日本に生まれて良かったです。
クセが強いが、非凡な子?
読書を物凄くしていたそう。
中学生でニーチェなど、実存哲学の本を読んでいたとか。
SFも読んだり。
SFの内容が、以後の行動に影響を与えているとか。
宇宙移民を目指したりと。
好き・得意は、幼少期に好きだった事にヒントがあることが多いと聞きますが。
小さい頃から、「物事は科学で説明できる」と考えていた模様。
聖書の話に対して。
「水が割れたってどういうこと?ありえないじゃん」というように。
いちいちツッコミ。
信心深い家庭では、困った子扱いですね。
パソコン、プログラミングにもハマり。
13歳で、ゲームを開発したとか。
イーロンさん、後にゲームにもハマる人生を送っているそう。
従兄弟たちと、ゲームセンターを開業しようとしたとか。
18歳未満で、市から距離を得られず、諦めたそうですが。
行動力、半端ないですね。
父親から離れるために、カナダへ
まず、「自分と弟妹を、米国に連れて行ってくれ」と親に頼んで。
でも両親にはその気はなく。
仕方なく、自分で段取りをつけたとか。
祖父(母親の父親)が米国生まれなのを理由に、米国の市民権を得ようとしたができず。
母親がカナダ生まれなので、カナダに行くことに。
パスポートの申請は、自分で。
この時、17歳。
すごい行動力。
はとこ、叔父を頼って。
のち、自分で働いたり。
父以外の家族も、徐々にカナダに合流。
お母さん、働きまくって家計を支えた模様。
国を変えるというのが、私の発想にはなく。
ただただ、凄いなと思います。
それだけ、追い詰められていたということでしょうか。
大学時代
戦略ゲームにハマる
帝国を築いていくゲーム。
複数のプレイヤーが、高レベルの戦略、資源管理、サプライチェーン、戦術的思考などを駆使して。
昔から、FPS、冒険、クエストのゲームをやっていたそうです。
銀行でのアルバイト経験
人の下で働くのが、好きでもなければ、上手でもないと悟った模様。
人間、好きや得意で、一点突破の方が良いと聞きます。
嫌い・不得意を、やる事から除外していくのもあり。
努力も方向性が大事。
自分のリソースも限られていますし。
コスパの良い、資源配分が必要かと。
目標
・物理学を修めて、製品を開発すること。
・ビジネスの学位を持つ人の下で働くのは、絶対に避けること。
物理学と、ビジネスの学位を取りに。
目標を持つのは大事。
私は大学、特に目的なく行ってました。
もったいないことをしました。
大学院進学か、起業か
人生の目標はできていたとのこと。
人類に大きな影響を与えることがしたいと思ったそうです。
思いついたのは3つ。
・インターネット
・持続可能エネルギー
・宇宙旅行
インターネットは、大学院を卒業する頃には間に合わないと考え。
起業のアイデアはあり。
知人に相談。
「インターネット革命は、一生に一度のチャンス。」
「大学院はいつでも行ける。」
アドバイスを受け、起業へ。
1995年頃。
B案も用意しつつ。
入学してすぐ、休業したそうです。
代替案を用意しつつ、行動。
リスク管理大事。
押さえるべき所、押さえてらっしゃる。
起業した会社は、売却することに。
色々あって、3年ほどで。
マスクさん曰く。
「ベンチャーキャピタルや経営のプロと言われる人々と仕事をしても、ろくなことにならない」
「創造性もなければ、眼力もない」とのこと。
投資してもらったことで、外部から人が入り。
マスクさんの自由度が減ったようです。
事業としては成功したようで。
売却で、銀行口座の残高が、5000ドルから、2200万5000ドルになったとか。
Xドットコムを起業(1999年)
マスクさん、FIRE(経済的自立後、早期退職)せずに、起業。
1200万ドルを、Xドットコムに投資。
金融系のニーズを全て満たすような、ソーシャルネットワークを作るのを目的として。
銀行業界全体を揺るがすような。
マスクさん、リスク取り続け。
のち、他の会社と合併。
新会社は、電子決済サービスを統合。
ペイパル。
急成長。
スタッフとの軋轢を生み。
行けてなかった新婚旅行中に、社内クーデター勃発。
ペイパルCEO解任。
会社を追い出されることに。
3年で2回、会社を追い出されることに。
ペイパルは、2002年に株式公開。
15億ドルで、イーベイに買収されたとのこと。
マスクさんは、2億5000万ドルを手に入れたことに。
すごい会社を立ち上げるも、普通の人はついていけないような会社になりがち?
でも、後々、色々と革新を起こす事業を。
激務だけど、達成感が半端ないといった事業経営をされている模様。
普通じゃないから、普通でない成果を挙げているとも、言えるかと。
ペイパルを更迭された後、単発のターボプロップ機(プロペラ機?)を購入。
パイロット免許を取得。
パイロット試験合格に気をよくしたマスクさんは、軍用ジェットまで購入。
アエロLー39アルバトロスという機種。
空気力学を体で理解するのに、役立ったとか。
後の緊急事態に、輸送で使ったりも。
次にすること
「宇宙で何かしたいと思っている」と、友達に相談。
ロケットの建造の、最低限の物理要件を考えたとか。
金属と燃料。
検討して、「可能かも」と考えて。
以後色々な人と会ったり。
目標が、「火星を開拓する」に。
人類を、複数惑星にまたがる文明にしたいとのことで。
周囲は、「事業になるのか」と、突っ込んだり。
マスクさんの場合、ミッションありきでスタート。
金銭的に成立するかは、後で考えて。
普通の考え方とは、逆をいったんですね。
普通は、需要ありき。
動機
・技術とは、少しでも良くしようと、たくさんの人が必死に働いて、初めて進化するという考え。
技術が失われる場合もあると。
ピラミッドの建造技術など。
・「地球に何かあっても、他の惑星で住めれば、人類の文明と意識は生き残れる」と考えて。
マスクさん、色々な事業をされますが、自身のビジョンに基づいたもの。
「人類の意識を存続させる。」という。
・大いなる夢を追いたいと。
冒険。
課題を解決するだけの人生はつまらないと考えて。
虚言癖?と思われかねない、マスクさんのビジョン。
周囲にそれを、天からの負託だと思わせられるのが、マスクさんの凄いところだとか。
スペースX①(2002年)
ロケット、最初はロシアから中古で購入しようとしていたとのこと。
ふっかけられたり、馬鹿にされたりで、自分で作ることに。
ロケット会社スペースXを立ち上げ。
2002年。
マスクさん、問題の枠組み自体を、変えてやろうと。
マスクさん、読書で、知識を身につけていたとのこと。
専門書を読解できるの、凄いですね。
後に、NASAや米軍でもできないことを成し遂げることに。
第一原理から考え直して
状況を、基本の基本まで深く検討し、そこから考え直して。
マスクさんは、このやり方で、「ばかやろう指数」なるものを考案。
まずは、費用が比較的かからない、小型ロケットからスタート。
マスクさんが注力したこと。
・エンジン推力の増強
・ロケットの重量減
・再利用化
利益を最大化するために。
ロケット建造のマスク流ルール
コスト削減
費用対効果を考えなければ、最終目標である「火星に住む」は、実現不可能。
気が狂いそうな切迫感をもって仕事を
切迫感があれば、第一原理思考が働くとのこと。
本質を押さえるように。
マスクさんの場合。
どんどん部品を内製。
「手ごろな値段のロケットを見つける」のではなく「ロケットをそれほど高価なものにしている要因は何か」を考えて。
時には、常識を疑って。
ただ、どう考えても無理なスケジュールだと、チームの士気が下がることも。
無茶振り過ぎは、逆効果になることも。
新しいやり方は試す、失敗覚悟でやってみる
致命傷を負わずに、最速で失敗を繰り返すのが成功の鍵と聞きます。
同じ失敗は繰り返さずに。
「行動➡︎検証➡︎改善」
「仮説を立てた実験」の繰り返し。
検討に時間をかけすぎず。
実験をしてみて、方向性の確認を都度。
NASAと固定価格契約
成果主義で、価格は固定の契約をNASAと結んで。
自社の資本でプロジェクトを進行。
一定の成果を挙げて初めて、報酬を受け取る契約。
どういうロケットを、どう作るのか。
自由度は高く。
費用対効果の高いロケットが作れれば、大儲け。
作れなければ、大損。
新技術も絡む事業で、成果主義を選択。
物凄いリスクの取り方。
テスラ①(2003年)
色々なことを経て、マスクさん、テスラに出資。
企業価値も、変革力も世界一の電気自動車会社。
5人の共同創業者という形。
後で、揉めることになったとか。
船頭多くして・・・。
マスクさんは、取締役会会長に。
事業の可能性より、ミッションの重要性に目を向けていたとか。
「車を電動化しなければ、持続可能な未来はない。」と。
炭化水素経済から、太陽光発電経済への後押しが最終目標。
マスクさんにとって、「人類の意識の存続」がミッション。
最近は、企業のミッションの重要性が言われるように。
マスクさん、昔からミッション考えてたんですね。
マスクさんのテスラでの、重要な決断
主要部品の内製化。
普通、自動車会社は、外製化が半分ほど。
2010年頃で。
誰の会社かで揉めて
「アイデアだけでは、ただのゴミ」とも聞きます。
株主、資本家強し?
テスラの経営陣は、波乱含み。
ゴタゴタもあって、マスクさん、テスラの経営にも関与していくことに。
出資者というだけでなく。
スペースX②
ロケットの打ち上げは、3度失敗。
本当に崖っぷちまでいったそう。
2008年。
リーマンショックも起こり。
テスラも含めて、破産寸前。
ロケット打ち上げ、何とか4度目(9月28日)で成功。
民間が独自開発したロケットとして初めて、地上から打ち上げて軌道に到達。
歴史的快挙。
マスクさん以下、500人ほどで設計から製造まで。
外部委託は、ほぼなし。
資金も民間。
テスラ②(2008年)
テスラも綱渡りを続けつつ。
本物の工業デザインとは、外観と中身をつなぐもの
技術者のように考えるデザイナーと、デザイナーのように考える技術者を生み出すというビジョンを、マスクさんは持っていたようで。
設計と製造を結びつけ。
フィードバックを受けれるように。
車の形を考えるデザイナーも、車の組み立て方を考える技術者と一緒に、手を動かし働かせて。
結果、バッテリーパックそのものを車体構造に。
画期的な手法。
大型のタッチスクリーン
ドライバーが、サッと触れる場所に。
車内のほぼあらゆることを、簡単に扱えるように。
自動車業界の常識を覆すイノベーションだったとか。
また、車をソフトウェアととらえるように。
ハードウェアではなく。
どんどんアップデートが可能に。
アップデートで、買った時より、良い車に?
スペースX③(2009年)
コスト削減
マスクさん、要件も何かと見直して、コスト削減。
相手と交渉して、ルール自体を変えてしまったり。
NASAが宇宙ステーションで使っている留め金を、トイレの留め金を改造して代用。
1500ドルを、30ドルに削減したり。
スペースXは、宇宙を民営化するとともに、そのコスト構造に変革をもたらしたとのこと。
既得権益に、切り込み。
トラブル対応
マスクさんにリスクを報告し、エンジニアリングデータを見せれば、サッと判断。
責任を、スタッフから自分に移すのがマスクさんとのこと。
良い判断あってこその、努力。
TOPの仕事は、経営判断。
国内工場へのこだわり
1980年代には、グローバリゼーションの波が。
米国企業は、国内の工場を閉じ、海外へ生産を移転。
これにマスクさんは抵抗。
生産工程を掌握するため。
「マシンを作るマシン」を作ることを重要視していたため。
車そのものの開発と同じ位。
設計〜生産というフィードバックループは、テスラの強みに。
日々、改善のアイデアが得られるため。
人工知能について(2012年)
マスクさん、AIが発展しすぎた場合、危険と考えたとこと。
極論、人類の処分を決めることがありうると。
そのため、ディープマインドという会社に、監視する意味で出資したり。
後、ディープマインドは、Googleに買収されることに。
AIの暴走を防ぐには、独立のAIがたくさんあればいいと考えたり。
そのため、AI事業も行うことに。
今の最先端のところ、複数押さえているんですね。
ディープラーニングには、データも必要。
テスラは、データの宝庫。
(ドライビングデータの蓄積が。)
X(旧Twitter)も。
アルゴリズム
生産に関する会議で、マスクさんが持ち出すこと。
戒律は5つ。
スペースXやテスラでの修羅場を通して、導き出された教訓
①要件は全て疑え
要件には、それを定めた担当者の名前を付して。
要件は必ず疑い、おかしな所を少しでも減らすように。
「なぜそうなっているか」をとことん追求。
説明できなければ、吊し上げ?
必要なければ、変更や削除。
責任の所在も明確化。
②部品や工程は、できる限り減らせ
後で、元に戻すことになってもいいとのこと。
実際、10%以上を元に戻す必要がなければ、それは「減らし足りない」とのこと。
まずは、行けそうなら、引き算でやってみて。
整理、断捨離。
③シンプルに、最適にしろ
②の後にやるべきもの。
不要なものをシンプルにしたり、最適化するのは、よくある間違いとのこと。
不要なものをなくしてから。
シンプル イズ ベスト。
④サイクルタイムを短くしろ
工程は、スピードアップが可能。
ただし、①②③を終えてから。
良い仕組みづくりをしてから。
まずは型づくり。
のち、熟練度UPでスピードUP。
⑤自動化しろ
自動化は、最終段階。
要件を全て洗い直し、部品や工程を可能な限り減らし、バグを潰し切ってから。
機械より、人の手による方が効率的なこともあるとのこと。
アルゴリズムより、導き出されること
技術系管理職には、実践経験も必要。
現場力がないと。
馬に乗れない騎兵隊長にならないように。
仲間意識は危ない
相手の仕事に、疑問を投げかけにくくなるため。
間違うのは構わない
実験推奨。
検討に時間をかけ過ぎないためにも。
次につながる失敗はOK。
致命傷を負わなければ。
自分がやりたくないことを、部下にやらせない
部下の反対を押し切ることも多々。
やるべきことにリソースを集中させるためでもあるかと。
解決すべき課題を、管理職に伝えて終わりにしない
当事者意識、大事。
採用では心構えを重視
スキルは教えることが可能。
価値観の共有・すり合わせは大事。
後からの変更は困難。
気が狂いそうな切迫感を持って、仕事を
締切を大幅に短縮して、修羅場を作り出すことが、多々ある様です。
規則と言えるは、物理法則に規定されるものだけ。
それ以外は、全て勧告に過ぎないとか。
まとめ
マスクさん、「人類の意識を存続させる」というビジョンに基づき、事業経営。
大きなリスクを取りつつ。
作業工程・部品、減らせる所は、減らして。
第一原理に立ち返り。
スタッフには、あえて修羅場を作り出し、切迫感を持って働かせ。
失敗もしつつ、大きな変革を実行中。
世界に影響を与える程の。
「マスクさん、エンジニアでも、あるんです。」
人生を、もっと楽しく、快適に。
では、ありがとうございました!
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