人類の意識を存続させるため、「火星に人類を送り込む」のを、ミッションとしているマスクさん。
金融決済(ペイパル)、電気自動車(テスラ)、宇宙開発(スペースX)、AIなどを手がけて。
時代の寵児?
お騒がせな人でもありますが。
マスクさんのやっていることを知ることで、時代の先が見えるかも?
書籍『イーロン・マスク 下』
著者 ウォルター・アイザックソンさん
訳 井口耕二さん
出版社 文藝春秋
出版 2023/9/13
ISBN978-4-16-391731-3
今回はこちらでお勉強。
上巻はこちら
スターリンク
火星に行くには資金がかかるもの。
夢追いミッションに、現実的な事業計画を組み合わせるのが、マスク流。
2014年にマスクさんが選んだのは、有料のインターネットサービス。
通信衛星を打ち上げ、宇宙空間にインターネットを再構築しようというもの。
インターネットの市場規模は、年に1兆ドルだとか。
その3%獲得を狙って。
300億ドルだと、NASAの予算以上になるとのこと。
スペースXの新部門として、スターリンクを立ち上げることに。
スターリンクでは、最終的に通信衛星4万基を目指すとのこと。
2019年5月には、シンプルなスターリンク衛星の設計が完了。
5ヶ月後には、衛星を稼働させ始めたとのこと。
どんどん、実現させていくのが、凄いところ。
衛星、小型でシンプルなものにするため、設計からやり直したとのこと。
ミニマムな衛星を作るため。
スターシップ
スペースXにて。
火星に人類を送るには、もっと大型の再利用可能なロケットが必要。
開発に着手。
材料に関して。
炭素繊維から、ステンレススチールに切り替えを決断。
情報は、大本まで遡る
板厚をどのくらいにするかは、現場のスタッフから情報を直接聞き取り。
加工を依頼する、会社幹部にではなく。
情報を求めるときは、なるべく一次情報、大本まで遡ろうとするのが、マスク流だとか。
分析・検討に時間をかけすぎない
「高温にさらされる部分は、例外」との意見はあったものの、そこもステンレスでチャレンジ。
実際に試作してみたり。
「分析に時間を費やすより、試して失敗する方がいい」とのこと。
さっと作れば、さっと結果がわかって、さっと修正できるとのこと。
成功への近道。
仮説を立てて、実験、検証、改善。
致命傷を負わずに、最速で失敗を繰り返して。
方向性の確認にもなるかと。
やってみないとわからないことも多々。
テスラ
おもちゃからの着想
マスクさんは、「おもちゃからヒントを得ろ」と言うそうです。
おもちゃ業界は、不具合のない製品を安く素早く作る必要が。
クリスマスには大量に。
精度は、どこまで気を使うかの問題だとか。
お金の問題ではなく。
レゴブロックの精度は凄く。
誤差は10ミクロン以下。
だから、どのピースでもカチッとハマるとのこと。
本物そっくりの車のおもちゃに着想を得て、実際の車に応用したとか。
アンダーボディが、一塊だったのをみて。
実際の車のアンダーボディは、100個以上の部品から。
それを溶接・リベット止め・接着したり。
着想を得てからは、おもちゃのように一塊にするために、大型の鋳造機を作ったとか。
フロント側、リア側のアンダーボディを、それぞれ一発で作れるマシン。
溶けたアルミニウムを、冷たい金型に吹き込み、80秒でシャーシが作れるように。
それまで苦労していたものが、アホみたいに安く、かつ素早く作れるようになったとか。
常識を疑いつつ。
思わぬの頃に解決の糸口が。
異なる分野の組み合わせが、革新を生む?
AIについて
人工知能に強く惹かれると同時に、恐れ・危険を感じたマスクさん。
自分が関わることで、良い方向に導ければと考えた模様。
色々やることに。
AIが、人類を排除する方向に行かない様に。
・Open AIを立ち上げ。
(開発を巡る路線対立から、袂を分つことに。)
・自律運転の車
(ホイールを履いたロボット)
・人型ロボット、オプティマス
(人型ロボットができれば、経済は無限に伸びることが可能に。
人口減少問題に対応できるため。)
・ドージョー
(ニューラルネットワークを訓練するスーパーコンピューター)
・ニューラリンクチップ
(脳に直接チップを埋め込み、人とマシンの共生関係を創り出す。)
OpenAIとGoogleは、テキストベースのチャットボットに注力。
話題のチャットGPT。
マスクさんは、物理的世界で使える人工知能を目指すことに。
ロボットや車など。
マスクさんが携わっている会社では、ビッグデータの収集が可能。
テスラやX(旧Twitter)から。
ポリトピア
2021年にマスクさんがハマっていた、戦略ゲームポリトピア。
16の部族から一つ選び、技術開発・資源確保・戦争したりで、帝国を築くゲーム。
ターン制。
戦略的思考や戦術スキルを磨けるとか。
マスクさんは、達人級だとか。
開発者に勝利したことも。
『ポリトピア』処世術
共感は、資源ではない
マスクさんは、共感を排除して考えているとのこと。
周囲の人によると。
結果が出せないと判断した場合、スタッフを解雇したり。
長年一緒にやってきた人でも。
共感を排除しているので、容赦無く。
新陳代謝はすごく進むでしょうが、働く側には辛いですね。
でも、そこが、アメリカと日本の差の一つかと。
日本は、働かないおじさんも、いっぱい?
マスクさんが残したい人材
・優秀であること
・信頼が置けること
・やる気に満ちていること
そういった人が集まる社内文化を作るためにも、解雇に容赦なし。
X(旧ツイッター)の解雇劇など。
敗北を恐れるな
豪胆にリスクが取れるように。
負けるのに慣れてしまえば、感情に左右されることが減って。
失敗しても、挑戦し続けることが前提。
負け癖がついて、諦めるのはNG。
先を見越して動け
自ら戦略を組み立てなければ、成功はおぼつかないとのこと。
ただ、状況の変化に対応するだけでは、目的達成は出来ず。
報われるには、方向性あっての努力。
ターン毎に、最適な手を打て
「ポリトピア」は、30ターンで終わるとか。
毎回、最善の手を打たなければいけないとのこと。
人生のターンも決まっているとのこと。
人生、選択・判断の積み重ね。
何かを成すには、人生短すぎと聞きます。
悪手となる判断は避けたいところ。
その時々に、最善の判断を。
倍賭けする
ただし、ハイリスク。
マスクさんは、リスク取りまくりの人。
自分のリスク許容度の範囲内で。
うまく行かなかった時の、B案(代案)を用意したり。
ただの博打だと、人生破綻することも。
レバレッジは、上手に扱える人だけ利用を。
選んで戦え
敵全てに反撃したら、間違いなく負けることに。
四面楚歌は避けるべき。
資源は有限ですし。
「戦線の最小化」も考えるべきとのこと。
マスクさん、この辺りは苦手とか。
Twitter、Xのやり取りなんか。
敵を作りがち。
休むのも大事
マスクさん、これも苦手とか。
工場での寝泊まりも、頻繁。
休むのも仕事。
良い判断をするために。
コンディション作り。
ウクライナ
スターリンクで、救援
ロシアは、ウクライナに侵攻する直前に、サイバー攻撃を仕掛けたとか。
ウクライナに通信やインターネットサービスを提供している米国の通信会社のルーターを、無力化したとのこと。
ウクライナの指揮命令系統が、麻痺したとか。
死活問題ですね。
IT、とても便利ですが、システムトラブル時は、地獄ですよね。
たまに、職場でシステムトラブルが起きます。
一気に修羅場に。
マスクさん、支援要請に応じて、スターリンクのステーションをウクライナに提供。
通信面で、ウクライナをサポート。
スターリンクは、衛星ネットワーク。
戦線拡大回避?
2022年、ウクライナは、爆弾満載の無人潜水艦でクリミアを攻撃しようとしていたとのこと。
クリミアは、2014年にロシアが併合。
クリミア攻撃は、超えてはならない一線になる可能性が。
ロシアにとって。
核での反撃もありうるほどに。
世界の惨事になりかねず。
マスクさん、スターリンクのサービスを、防御目的のみで提供することに。
そのため、クリミア海岸から100kmは、使用不可に。
マスクさん、戦略ゲームをやりまくってるので、全体のバランスを取る選択をされた模様。
マスクさんの外交感覚は、欧州軍事史を踏まえた、現実的なものだとか。
知らない所で、更なる危機的状況になりそうだったんですね。
スターリンクでの支援。
NASAや米軍にもできないことを、やってのけたそう。
早く、ウクライナが落ち着くこと願います。
残念ながら、長期化しそうですが。
ロシアも引くに引けなくなってますし。
泥沼・・・。
まとめ
マスクさんの目的
人類の意識を存続させる
そのために、火星に人類を送り込もうとされています。
居住地の分散でリスク管理。
AIが人類に危害を与えないように導くために、AIについても事業を行って。
なんか、「大袈裟な」と感じないでもないですが。
結果を出していっているのが凄いところ。
自身がTOPとして経営している事業
テスラ
スペースX
スターリンク(スペースXの部門)
ザ・ボーリングカンパニー
ニューラリンク
X・AI
(書籍出版時)
マスクさんの手法
修羅場を意図的に作ることも、多々。
アルゴリズム
生産に関する会議で、マスクさんが持ち出すこと。
戒律は5つ。
スペースXやテスラでの修羅場を通して、導き出された教訓
①要件は全て疑え
要件には、それを定めた担当者の名前を付して。
要件は必ず疑い、おかしなところを少しでも減らすように。
「なぜそうなっているか」をとことん追求。
必要なければ、変更や削除。
②部品や工程は、できる限り減らせ
後で、元に戻すことになってもいいとのこと。
実際、10%以上を元に戻す必要がなければ、それは「減らし足りない」とのこと。
まずは、行けそうなら、引き算でやってみて。
整理、断捨離。
③シンプルに、最適にしろ
②の後にやるべきもの。
不要なものをシンプルにしたり、最適化するのは、よくある間違いとのこと。
不要なものをなくしてから。
シンプル イズ ベスト。
断捨離。
しないことを決めるのも重要。
④サイクルタイムを短くしろ
工程は、スピードアップが可能。
ただし、①②③を終えてから。
良い仕組みづくりをしてから。
まずは型づくり。
のち、熟練度UPでスピードUP。
⑤自動化しろ
自動化は、最終段階。
要件を全て洗い直し、部品や工程を可能な限り減らし、バグを潰し切ってから。
機械より、人の手による方が効率的なこともあるとのこと。
アルゴリズムより、導き出されること
技術系管理職には、実践経験も必要
現場力がないと。
馬に乗れない、騎兵隊長にならないように。
仲間意識は危ない
相手の仕事に疑問を投げかけにくくなるため。
間違うのは構わない
検討に時間をかけ過ぎるよりは、実験を。
致命傷を負わなければ、失敗もOK。
自分がやりたくないことを、部下にやらせない
部下の反対があっても。
リソースの分散防止にも。
解決すべき課題を、管理職に伝えて終わりにしない
当事者意識。
採用では心構えを重視
スキルは教えることが可能。
マスクさんの考え方。
少数でも、とても優秀で、やる気のある人達の方が、結果を出せるとのこと。
優秀でやる気そこそこな人が、たくさんいるより。
価値観の共有・すり合わせは大事。
後からの変更は困難。
気が狂いそうな切迫感を持って、仕事を
背水の陣。
規則と言えるは、物理法則に規定されるものだけ
それ以外は、全て勧告に過ぎないとのこと。
「色々と、時代先取り、マスクさん。」
人生を、もっと楽しく、快適に。
では、ありがとうございました!
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